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明清音楽研究会

坂田古典音楽研究所では明清音楽の研究と資料蒐集、復元演奏をしています。


明清音楽とは・・・

俗に明清楽と一口にいわれますが明楽と清楽は全くの別物です。
明楽は文字どおり明朝伝来の音楽のことですが、中国には現存しません。
日本では江戸の中期以降、一時武士階級の間で学ばれましたが、幕末期の
清楽の台頭により衰退し、清楽の中の一部門に包括されてしまいました。
そのために、一括して明清楽と呼ばれるようになったのです。

「明清楽器図」『月琴楽譜』明治10年(1877)刊より
明清楽器

太鼓
雲羅
金羅
片鼓
胡琴
三弦子
月琴+義甲
提琴
阮咸
琵琶
洋琴(揚琴)
洞簫
清笛
木琴
拍板


明楽とは・・・

明楽は大別して2つに分けることが出来ます。
1つは、明朝末期に長崎に渡来し帰化した魏氏系統のもの。
1つは、これと多少共通するものの、魏氏以外によって伝えられたもの。
このどちらも明朝末中国南方(福建省を中心とした地方)の音楽で、
主に唐宋の名詩詞を歌詞とした、当時の教養人の嗜好にあった音楽でした。
能楽以外の好みはあまりなかった武士も、これを学んで恥じることがなかったのです。
魏氏の明楽を伝えるものとしては
『魏氏楽譜』(刊本50曲、抄本200曲)と、
『魏氏楽器図』があり、それ以外には、
『南京笛譜』や『明楽唱号』等があります。
なお、魏氏音楽は歌が主で、歌も伴奏もその旋律はいたって単純なものですが、
男子十数名による斉唱は荘重で、伴奏は至極端正なものです。


清楽とは・・・


「清人合奏図」『月琴楽譜』明治10年(1877)刊より

 清楽は、主に化政期の頃から長崎に齎された、中国地方の俗曲を中心とした
一大音楽群です。そのなかには俗曲の他に、戯曲、語りもの、民謡なども含まれ
音楽史上でも貴重な遺産となっています。明治初期をピークに、その前後に陸続と
して出版された『清楽譜』は数百にも上り、しかも中国では已に失われてしまった
曲譜も少なくありません。幕末から明治初期にかけての、折からの文人趣味や煎茶道
の勃興と相俟って盛んに学ばれました。当時は洋楽の普及される以前で、外来の音楽
といえば、遥か一千年前に齎来された雅楽や滅ぼされた切支丹音楽以外には、琴学と
明清の音楽しかありませんでしたし、明楽も清楽の軽妙洒脱さと門戸の広さ、加えて
肩肘を張らない教授法の前にはなす術がなく、衰退の一歩を辿ったのです。
清楽の主要楽器は、『月琴』で、数ある清楽器の中でもその簡、軽便さは他の追随
を許さず、唐通事や長崎帰りの一部の文人の手を離れた後は巷間を独り歩きしだし
この状態は日清戦争がぼっ発するまで続きました。また、明楽をあっと言う間に席巻
してしまった清楽でしたが、世を挙がっての欧化は、中国文人趣味の世界や、漢学衰退
の原因となり、第2次世界大戦でも同様に、これらが敵国の音楽であるという理由から
百年近い伝統がいとも簡単に否定され、揉み消されてしまったのです。折り悪しく?
小学校の唱歌教育や、軍楽隊の充実で洋楽が普及しだしたこともあって、さらに
清楽衰退に拍車をかける一因となったのです。

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